真面目な人ほど仕事を抱え込んでしまうのはなぜ?
社会人になったばかりの頃の私は、
「頼まれた仕事は引き受けるのが当たり前。」
そう思っていました。
「少しだけ手伝ってもらえる?」
そう言われれば、特に迷うこともなく、
「いいですよ。」
と返事をしていました。
本当に”少しだけ”だと思っていたからです。
でも、実際には30分で終わることは少なく、気づけば数時間かかることもありました。
その間、自分の仕事は進みません。
結局、その遅れを取り戻すために残業をすることになります。
それでも当時の私は、
「仕方がない。」
「頼られているんだから。」
そう考えていました。
そして一度引き受けると、また次もお願いされるようになります。
私はそれを
「信頼されている。」
そう思っていました。
でも今振り返ると、少し違いました。
私は、
「頼めばすぐやってくれる人」
になっていただけだったのかもしれません。
もちろん、誰かを手伝うこと自体は悪いことではありません。
困っている人がいれば助け合うことは大切です。
ただ、自分の仕事や時間を犠牲にし続ける働き方は、長く続けられるものではありませんでした。
当時の私は、「真面目だから抱え込んでしまった」と思っていました。
でも今は、そうではなかったと感じています。
本当の原因は、”真面目さそのものではなく、「すぐに『いいですよ』と答えることが当たり前になっていたこと」”でした。
その理由に気づいたのは、ずっと後になってからです。
「いいですよ」が当たり前になっていた
今振り返ると、私は仕事を断れなかったのではありません。
「いいですよ」と答えることが当たり前になっていました。
頼まれた瞬間に、
「自分の仕事は今どれくらい残っているだろう。」
「今日中に終わるだろうか。」
そんなことを考える前に、返事をしていたのです。
だから、自分の仕事が後回しになることも珍しくありませんでした。
もちろん、理由は一つではありません。
まず一つは、相手の立場を考えすぎていたことです。
上司や先輩、立場が上の人からお願いされると、
「断ったら申し訳ない。」
「困っているんだから手伝わなきゃ。」
そんな気持ちが先に出てきました。
もう一つは、断る言葉を持っていなかったことです。
「今は難しいです。」
「少し確認してからでもいいですか。」
そんな一言が思いつかず、気づけば反射的に
「いいですよ。」
と答えていました。
そして、私にはもう一つ理由がありました。
それは、自分に自信がなかったことです。
当時の私は、
「周りと比べると、自分は仕事ができない。」
そう思っていました。
だからこそ、
「もっと頑張らないと評価されない。」
そんな気持ちが強かったのだと思います。
頼まれた仕事を断らず、誰よりも多く仕事をこなせば、自分の評価も上がる。
当時は本気でそう考えていました。
でも現実は違いました。
仕事を抱え込めば抱え込むほど、自分の仕事に手が回らなくなります。
焦る。
ミスが増える。
残業も増える。
疲れがたまり、集中力も落ちる。
そして、
「やっぱり自分は仕事ができない。」
と、さらに自信を失ってしまう。
今思えば、私は仕事量を増やすことで評価を上げようとしていました。
でも、本当に必要だったのは仕事量ではありませんでした。
今の自分が抱えられる仕事量を把握し、一つずつ確実に進めること。
そして、途中で迷いや行き詰まりを感じたら、一人で抱え込まずに早めに相談すること。
その方が結果として仕事も早く進み、信頼にもつながっていくことを、私は後になって知りました。
真面目さが、自分を苦しめることもある
私は長い間、
「真面目であることは良いことだ。」
そう思っていました。
もちろん、その考えは今でも間違っているとは思っていません。
時間を守る。
約束を守る。
任された仕事に責任を持つ。
こうした姿勢は、社会人としてとても大切なことです。
でも、いつの間にか私は、
「真面目であること」と「何でも引き受けること」を同じ意味で考えるようになっていました。
頼まれた仕事は断らない。
自分が忙しくても引き受ける。
自分の仕事よりも、お願いされた仕事を優先する。
それが真面目な社会人だと思っていたのです。
でも実際には、その働き方は少しずつ自分を苦しめていました。
他人の仕事を引き受ければ、その時間だけ自分の仕事は後回しになります。
すると残業が増えます。
疲れがたまります。
焦りからミスも増えます。
そして、
「もっと頑張らなければ。」
と、さらに仕事を引き受けてしまう。
今思えば、私は真面目だったというより、
「断れない自分」を真面目だと思い込んでいたのかもしれません。
一番つらかったのは、
頑張っているはずなのに、楽にならないことでした。
むしろ、頑張れば頑張るほど、自分の時間は減っていきます。
その頃になって初めて、
「手伝うこと」と「自分を犠牲にすること」は違う。
そう考えるようになりました。
誰かを助けることは大切です。
でも、自分が倒れてしまえば、その後は誰も助けられません。
だから私は、
「まずは自分の仕事を終わらせ、自分の時間とペースを守ることも、社会人として大切な責任の一つなんだ。」
そう考えるようになりました。
▶ 他人の仕事を手伝うか迷ったときの考え方については、こちらの記事で詳しく書いています。
自分のペースを守るという考え方
私は以前、
「仕事は頼まれた順番にこなすもの。」
そう思っていました。
だから、自分の仕事の途中でもお願いされれば、その仕事を優先していました。
その方が相手も助かるし、評価もされると思っていたからです。
でも、その働き方を続けた結果、待っていたのは評価ではなく、疲れでした。
自分の仕事は終わらない。
残業は増える。
休日も疲れが残る。
そして翌日も、また同じことを繰り返す。
今思えば、私は自分のペースを持たずに働いていたのだと思います。
もちろん、仕事は一人でするものではありません。
周りと協力することも大切です。
急ぎの仕事や、本当に困っている人を助ける場面もあるでしょう。
だからこそ大切なのは、
**「何でも引き受けること」ではなく、「どこまで引き受けるかを自分で決めること」**です。
私は、自分の仕事量を把握し、その日の優先順位を考えるようになってから、少しずつ働き方が変わりました。
誰かを手伝う日があってもいい。
今日は自分の仕事を優先する日があってもいい。
どちらか一方ではなく、その時々で自分の状況を見ながら判断すればいい。
そう考えられるようになってから、以前よりも気持ちに余裕が生まれました。
自分のペースを守るということは、自分勝手に働くことではありません。
長く働き続けるために、自分の仕事量や体力、時間を考えながら働くことです。
その結果、無理なく周りを手伝えるようになれば、それは以前よりも良い助け方なのではないかと、私は思っています。
断るのではなく、境界線を作る
私は以前、
「仕事を断るなんて無理。」
そう思っていました。
だから、頼まれたら反射的に
「いいですよ。」
と返事をしていました。
でも今振り返ると、問題だったのは断れなかったことではありません。
考える前に返事をしてしまっていたことでした。
だから今は、まず一度立ち止まることを意識しています。
例えば、仕事をお願いされた時は、すぐに返事をするのではなく、
「今抱えている仕事を確認してからお返事してもいいですか。」
と伝えるようにしています。
これだけでも、一度冷静に自分の仕事量を確認する時間ができます。
自分の仕事量を把握する
以前の私は、
「まだ何とかなる。」
そう思って仕事を引き受けていました。
でも実際には、自分が抱えている仕事を正確に把握できていませんでした。
今は、
- 今日中に終わらせる仕事
- 今週中に終わらせる仕事
- 少し余裕のある仕事
というように、自分の仕事を整理してから判断するようにしています。
全部を頭の中で管理するのではなく、メモやタスク管理ツールを使って見える化するだけでも判断しやすくなります。
一人で抱え込まない
真面目な人ほど、
「最後まで自分でやらなければ。」
そう考えてしまいがちです。
私もそうでした。
でも今は、方向性に迷った時ほど早めに相談することを意識しています。
例えば、
7〜8割ほど進めた段階で、
「この方向で合っていますか。」
と確認するだけでも、その後の大きなやり直しを防げることがあります。
最後まで一人で抱え込むことが責任感ではありません。
早めに相談することも、仕事を円滑に進めるための大切な力だと思っています。
手伝う時間を自分で決める
誰かを手伝うことは悪いことではありません。
私も、困っている人がいればできる範囲で協力したいと思っています。
ただ、
「少しだけ。」
と言われて引き受けた結果、数時間かかってしまった経験も何度もありました。
だから今なら、
「30分ほどなら大丈夫です。」
というように、自分から時間の目安を伝えると思います。
手伝うか、手伝わないか。
その二択ではなく、
どこまでなら手伝えるかを自分で決める。
それも、自分のペースを守る一つの方法です。
自分を守ることは、周りのためにもなる
以前の私は、
「自分が我慢すれば何とかなる。」
そう思っていました。
でも、自分が無理をして体調を崩したり、本来の仕事でミスをしてしまえば、結果として周りにも迷惑をかけてしまいます。
だから今は、
自分を守ることも仕事の一部。
そう考えるようになりました。
長く働き続けるためには、
誰かを助けることと同じくらい、
自分のペースを守ることも大切なのだと思います。
まとめ|真面目さは、自分を守るためにも使っていい
真面目な人ほど、仕事を抱え込んでしまう。
私は、その理由は「真面目だから」だと思っていました。
でも今振り返ると、本当の理由は違いました。
自分に自信がなかったこと。
評価されたい気持ちが強かったこと。
頼まれたらすぐに「いいですよ。」と答えることが当たり前になっていたこと。
そうした小さな積み重ねが、自分を苦しめる働き方につながっていました。
もちろん、真面目であることは悪いことではありません。
責任感があることも、人を助けたいと思えることも、とても素敵な長所です。
ただ、その真面目さを自分を犠牲にするためだけに使う必要はありません。
仕事には、自分のペースがあります。
人には、それぞれ抱えられる仕事量があります。
だからこそ、
「引き受けるかどうか」だけではなく、「どこまでなら引き受けられるか」を自分で選んでいい。
私はそう考えるようになってから、以前よりも仕事との向き合い方が少し楽になりました。
もし今、
「自分ばかり仕事を抱え込んでいる。」
「頑張っているのに苦しい。」
そう感じているなら、一度だけ立ち止まって考えてみてください。
その仕事は、本当に今の自分が引き受けるべき仕事でしょうか。
少し立ち止まるだけで、見える景色が変わることもあります。
真面目であることをやめる必要はありません。
その真面目さを、
誰かの期待に応えるためだけではなく、自分を守るためにも使ってあげてください。
それが、長く働き続けるために大切なことだと、私は思っています。
あとがき
昔の私は、
「もっと頑張れば認めてもらえる。」
そう信じていました。
だから、頼まれた仕事はできるだけ引き受け、少しでも評価されようと必死でした。
でも、頑張る方向を間違えると、仕事は増える一方で、自分の時間も気持ちの余裕も失ってしまいます。
今は、頑張ることをやめたわけではありません。
頑張る方向を選ぶようになりました。
自分の仕事をきちんと終わらせること。
無理をしすぎないこと。
必要なときは相談すること。
そうした小さな積み重ねの方が、結果として長く働き続けられることを実感しています。
もしこの記事が、
「自分だけじゃなかったんだ。」
そう思えるきっかけになったなら、とても嬉しく思います。
▶ 他人の仕事を手伝うか迷ったときの考え方については、こちらの記事で詳しく書いています。
▶ 仕事がつらいと感じたとき、私が「選択肢を増やす」という考え方にたどり着くまでの話はこちらにまとめています。


コメントを残す