「仕事を辞めたい」と思う自分は甘えているのだろうか。
朝、会社へ向かう電車の中でため息をつく。
仕事が終わっても疲れが抜けず、「また明日も仕事か」と気持ちが重くなる。
そんな毎日が続くと、一度はこんなことを考えるかもしれません。
「仕事を辞めたい。」
でも、その次に頭に浮かぶのは、
「甘えているだけなんじゃないか。」
「みんな頑張っているのに。」
「辞めても自分にできる仕事なんてあるのだろうか。」
という不安ではないでしょうか。
私も同じでした。
だから、このページで「辞めるべきか」「辞めないべきか」という答えを伝えたいわけではありません。
私が伝えたいのは、仕事を辞めるかどうかよりも、その前に知っておいてほしいことです。
仕事がつらいと、視野は驚くほど狭くなる
毎日忙しく働いていると、不思議なくらい視野が狭くなります。
朝起きて会社へ行く。
仕事をして帰る。
疲れて寝る。
また朝が来る。
そんな毎日を繰り返していると、「今の生活がすべて」だと思ってしまうことがあります。
特に20代は、社会に出てまだ数年です。
会社以外にどんな働き方があるのか。
転職はどんなタイミングでするものなのか。
副業や投資、資格の勉強は本当に意味があるのか。
知らないことが多いのは、ごく自然なことです。
だから、「仕事を辞めたい」と思っても、
「他にできることなんてない。」
「今より良い会社なんてあるのだろうか。」
「結局、どこへ行っても同じじゃないか。」
そんなふうに考えてしまいます。
実際、私もそうでした。
毎日、目の前の仕事をこなすことだけで精一杯で、「今の会社以外の人生」を考える余裕なんてありませんでした。
でも、今振り返ると、知らないことが多かったのだと思います。
当時の私には、転職も、副業も、お金の勉強も、スキルを身につけることも、「自分とは縁のないもの」のように感じていました。
でも、それは本当に選択肢がなかったのではありません。
知らなかっただけだったのです。
この違いは、とても大きいと今は思います。
私も「今しかない」と思い込んでいた
学生の頃、ある雑誌の記事を書く人になりたいという目標を持っていました。
ただ、新卒で未経験だったこともあり、希望していた仕事に就くことはできませんでした。
そこでまずは経験を積もうと考え、編集の仕事に就きました。
目標に近づくための一歩でした。
だから最初は、
「ここで頑張ろう。」
そう思っていました。
しかし、実際に働き始めると、思い描いていた環境とは大きく違っていました。
始業時間前に出社して社内の掃除をするのが当たり前。
仕事は毎日のように深夜まで続き、日によっては朝帰りになることもありました。
能力を理由に残業代が支払われないこともあり、職場には誰か一人を標的にするような空気もありました。
少しずつ心も体も疲れていき、ある日から朝起きることができなくなりました。
そんな毎日を送る中で、ある日ふと頭に浮かんだ言葉があります。
「この生活を、あと何十年続けるんだろう。」
その瞬間、自分の中で何かが切れました。
「無理だ。」
それが、私が会社を辞めようと決めた瞬間でした。
退職を決意するまでに、それほど長い時間はかかりませんでした。
「辞めよう」と決めてから転職活動を始め、内定をもらい、退職を伝えるまで、おそらく一か月もかかっていなかったと思います。
今振り返ると、もっと計画的に準備することもできたかもしれません。
でも当時の私は、「今の環境から抜け出したい」という気持ちで精一杯でした。
それだけ、視野が狭くなっていたのだと思います。
退職して終わりではなかった
会社を辞めることを決めたとき、私の中には「これで少し楽になれる」という気持ちがありました。
もちろん、その気持ちは間違っていなかったと思います。
実際、あのまま無理を続けていたら、心も体ももっと限界を迎えていたかもしれません。
ただ、退職はゴールではありませんでした。
新しい生活の始まりでもありました。
退職してから約3か月間、私は派遣社員として働いていました。
朝はティッシュ配りやチラシ配り。
夜は店舗の棚卸し。
正社員ではありませんでしたが、「まずは生活を立て直そう」という気持ちで、一日一日を過ごしていました。
その後、興味のあった仕事に就くことができました。
ようやく目標に近づけた。
「あとはここで頑張ろう。」
当時はそう思っていました。
ただ、その仕事は期間限定でした。
契約が終わる日が近づくにつれて、少しずつ新しい不安が生まれてきました。
「次はどうしよう。」
前の会社にいた頃のような苦しさはありません。
それでも、
「この仕事が終わったらどうなるんだろう。」
「また仕事を探さなければいけないのかな。」
そんなことを考える時間が増えていきました。
今思えば、この頃から少しずつ、お金や将来について考えるようになっていたのだと思います。
配当金が教えてくれたこと
お金や将来について考えるようになった頃、私は投資というものを知りました。
当時は、少額からでも投資を始められるようになった時期でした。
「自分にもできるかもしれない。」
そんな気持ちで、小さな一歩を踏み出しました。
そして、初めて配当金が振り込まれた日。
その日のことは、今でもはっきり覚えています。
「本当にお金が振り込まれた。」
金額は決して大きくありませんでした。
それでも、私にとっては衝撃的な出来事でした。
それまでの私は、「働かなければ収入は得られない」と思っていました。
でも、その日初めて、
「会社で働くことだけが、お金を得る方法ではない。」
ということを実感したのです。
もちろん、投資だけが正解だと言いたいわけではありません。
私が伝えたいのは、「新しい世界を知った」ということです。
この経験をきっかけに、
「もっと配当金を増やすにはどうすればいいんだろう。」
と考えるようになりました。
株のことを調べる。
お金の仕組みを学ぶ。
経済や社会のことに興味を持つ。
YouTubeで情報を集めたり、FPの勉強を始めたりもしました。
そして、その過程で、
節約の重要性を知り、
副業という働き方を知り、
新しいスキルを身につけることの大切さを知りました。
今振り返ると、私の人生を変えたのは投資そのものではありません。
「知ろう」と思って学び始めたことだったのだと思います。
一つの学びが、次の学びにつながる。
その積み重ねが、少しずつ自分の選択肢を増やしてくれました。
選択肢は、学びとともに増えていく
20代の頃の私は、
「今の会社しかない。」
そう思い込んでいました。
でも今は、そうは思っていません。
それは、特別な才能があったからでも、大きく人生が変わる出来事があったからでもありません。
小さな学びを積み重ねてきた結果、少しずつ見える景色が変わっていったからです。
相談することで、自分では気づかなかった得意なことを知ることができます。
「そんなところが長所だったんですね。」
そう言ってもらえるだけで、自分の可能性を少し信じられるようになるかもしれません。
節約を知れば、「思っていたより少ないお金でも生活できる」と気づくことがあります。
生活に必要なお金が分かると、「今の給料がないと生きていけない」という不安も少し和らぎます。
副業に挑戦すれば、金額が小さくても「会社以外でも収入を得られた」という経験になります。
スキルを身につければ、「今の仕事しかできない」という思い込みから、一歩抜け出せるかもしれません。
どれも、すぐに人生を変えるものではありません。
でも、一つ知るたびに、一つ経験するたびに、
昨日まで見えていなかった選択肢が少しずつ見えるようになります。
だから私は、「仕事を辞めること」が大切だとは思っていません。
大切なのは、
自分の選択肢を増やしていくこと。
そのために学び続けることです。
私は投資の学びから始まりましたが、きっかけは何でもいいと思います。
SNSを見れば、好きな場所で働き、自由に生活している人がたくさん目に入ります。
そんな姿を見ると、「自分には無理だ」と思ってしまうこともあるでしょう。
でも、私はそこを目指さなくてもいいと思っています。
昨日より少し知識が増えた。
少し生活費を見直せた。
自分の得意なことを一つ知ることができた。
会社以外から、初めて収入を得ることができた。
そんな小さな積み重ねでも、昨日までの自分にはなかった選択肢が一つ増えています。
人生は、大きく変えることだけが前に進む方法ではありません。
小さな選択肢を増やし続けることも、未来を変える力になると私は信じています。
自分一人では見つけられない選択肢もある
ここまで、私自身の経験を書いてきました。
ブラック企業で心も体も限界を感じたこと。
退職を決意したこと。
派遣社員として働いたこと。
将来への不安から、お金について学び始めたこと。
そして、少しずつ選択肢を増やしてきたこと。
振り返ると、その過程で一つだけ思うことがあります。
もっと早く誰かに相談してもよかったのかもしれない。
当時の私は、「自分で何とかしなければ」と思っていました。
だから、一人で悩み、一人で答えを出そうとしていました。
でも今は、一人では見えないものがあることも知っています。
誰かと話してみることで、
「それはあなたの強みですよ。」
と言ってもらえることがあります。
自分では短所だと思っていたことが、別の見方をすれば長所になることもあります。
「こんな仕事も向いているかもしれません。」
そんな一言が、新しい選択肢につながることもあります。
相談することは、転職を決めることではありません。
自分にはどんな可能性があるのかを知ること。
私は、それも大切な一歩だと思っています。
もし今、「仕事を辞めたい」と思うほど苦しいのであれば、一人で答えを出そうとしなくても大丈夫です。
第三者と話しながら、自分にはどんな選択肢があるのかを整理してみる。
それだけでも、見える景色は変わるかもしれません。
転職するかどうかは、そのあとに決めても遅くありません。
まずは、自分の可能性を知ることから始めてみてください。
あとがき
この記事を書きながら、私自身も20代の頃を何度も思い返しました。
当時は、目の前の仕事をこなすだけで精一杯でした。
「今の会社しかない。」
「辞めても、きっと同じだ。」
そんなふうに思い込み、自分で自分の可能性を狭めていたように思います。
でも、振り返ってみると、人生は一つの決断で大きく変わったわけではありませんでした。
小さな学びを積み重ね、小さな選択肢を増やしてきた結果、少しずつ見える景色が変わっていったのだと思います。
だから私は、仕事を辞めることを勧めたいわけではありません。
あなたにも、「今の会社しかない」と思い込まないでほしい。
それだけを伝えたくて、この記事を書きました。
もしこの記事が、あなたにとって新しい選択肢を考えるきっかけになれたなら、とても嬉しく思います。



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