FIRE(経済的自立)を目指すのは不幸!?現実的なFIREの方法について

FIRE(Financial Independence, Retire Early)=「経済的自立」を知っている人が多くなっている昨今、実際に目指そうと思った人は多いのではないでしょうか?

かくいう私もFIREを目指した1人ですが、私自身のFIRE達成は不可能だと結論づけました。

その理由は単純にFIREを達成するための資金が私にはないから。

この記事を読んでいる皆さんは、いわゆるFIRE本と呼ばれる書籍や、動画でFIREについて調べていると思います。

なので、なぜ私が「FIRE不可能」と結論づけたのかを何となく予想できる人もいるかもしれません。

最初の方で「FIRE達成を達成するための資金がない」と書きましたが、なぜそう考えたかというと…

  • 生活費(食費、水道光熱費)を削りにくい状況
  • イレギュラーな支出の心配(病気の治療費や介護費など)

FIREに必要な資金について(例)

それぞれを解説する前に、まずは簡単にFIREを実現するのに必要な資金をおさらいしておきます。

FIREに必要な資金は投資額が1億円です。

この金額は、年間の支出が400万円の人がFIREするために必要な額です。

計算の方法としては、株式投資資金が1億円、そして年利4%で運用することを仮定しています。

計算式としては、「100,000,000円(投資資金)×0.04(運用率)=4,000,000円(年間配当金)」となります。

サラリーマン男性が生涯年収の手取りが平均で1億1000万〜1億3000万と言われています。

FIREは色々な我慢の上で成り立つ

先ほどの計算の例で考えると、普段の生活費が低ければ低いほど、FIREするための資金は低くなります。

しかし、FIREするための資金は、生涯を掛けて働いた後にやっと手に入る金額とほぼ同じになると考えることもできます。

また、これは手取り額なので、ここから生活に必要な金額もろもろを引くと、実際手元に残るのは1億円に満たない金額になります…

なので、副業が必須となってくるでしょう。

その上、FIREを達成するために、美味しい物を食べることを我慢し、遊ぶことも我慢し、自分の好きなこと、やりたいことも我慢するなど、さまざまな我慢(節約)して、投資するための資金を捻出することになると思います。

独身であって、そこそこのお給料をもらっている人は完全FIREでなくとも、セミFIRE(※1)ぐらいは達成できると思いますが、家族がいる人は配偶者の理解がなければ、まず不可能と言えると思います。

※あくまで例なので、これが全てではありません

※1:セミFIREとは

FIREは完全に仕事から退き、投資による収入で生活の全てを賄いますが、セミFIREは仕事はそこそこ続けて、仕事しない分の収入を投資による収入で賄うものです。だから、“セミ(半分、やや…)”というのがつきます。この点については後述します。

目指すのはFIREで良いのだが…

FIREがどれだけ難しいかは理解していただけたかと思いますが、目指すのは全然ありと思っています。実はFIREにはいくつか種類があります。

  • ファットFIRE
  • リーンFIRE
  • コーストFIRE
  • サイドFIRE
  • バリスタFIRE

以上、5つのFIREが存在します。それぞれを簡単に説明します。

ファットFIRE

生活費を株式などの資産収入で完全に賄うFIREです。

これは前述しているような(1億円の話)FIREで、仕事はリタイアしており、これまでと同じ水準以上の生活(贅沢)ができる、1番ハードルの高いFIREになります。

リーンFIRE

こちらも資産収入だけで生活をするタイプですが、質素な生活を送るスタイルになります。

その代わり、投資元本は減るのでファットFIREよりも実現しやすい面があります。

コーストFIRE

資産収入だけで生活費を賄うが、趣味で仕事をするスタイルです。

資産収入だけで生活も可能で、仮に辞めても生活には困らないので、自分のやりたいことに集中できるスタイルといえます。

サイドFIRE

資産収入がメインとなり、足りない分は副業で賄うスタイルです。

仕事は自分で調整をしながら働くスタイルになります(自営業者)。

「資産運用+仕事」の2本柱なので比較的リスクが低く、上記2つよりも実現しやすい面があります。

バリスタFIRE

資産収入がメインとなり、パートやアルバイトで収入を賄うスタイルです。

こちらも「資産運用+仕事」の2本柱なので比較的リスクが低く、実現しやすいです。

“サイドFIRE”と違う点は、雇われスタイルで働くというところです。

自分の生活スタイルに合ったFIREスタイルを選択

ご紹介した5つのFIREスタイルの中で「自分にもできそう」と思ったものはありましたでしょうか?

“ファットFIRE”をしたいと思う人が多いと思いますが、現実的には“サイドFIRE”、または、“バリスタFIRE”ではないかと思います。

私自身も出来てもこの2つのどちらかだと思っています。

最初の方にも書きましたが、介護や自身の病気で出費が想定よりも増える可能性もあるし、相場が下落した時に資産が大幅に下がるリスクなどを考えると、働くことは辞められないと考えています。

こういったFIREのデメリットも知っておくと、どのFIREタイプを目指すか、しっかりとした目標が立てられると思います。

FIREのデメリットとしては、以下のようなことが考えられます。

  • リタイアのリスク管理の必要性
  • 社会的・精神的影響
  • 長期的な経済的持続性の不確実性
  • 医療と健康保険の問題
  • 経済的自己管理の必要性
  • 将来のキャリア・収入機会の喪失
  • 生活の質の低下

リタイアのリスク管理の必要性

若いうちにリタイアすることで、将来の経済的リスク(インフレーション、医療費の増加など)に対する十分な備えが必要です。これを怠ると、将来の生活水準が脅かされる可能性があります。

社会的・精神的影響

仕事やキャリアは社会的なつながりや自己成長の重要な要素です。仕事を通じて達成できる社会的貢献感や認知、尊敬、成長などの非金銭的な目標を追求することが、早期にリタイアすることで、これらが欠如することがあり、孤独感や目的の喪失感を引き起こすことがあります。

長期的な経済的持続性の不確実性

リタイア後の長い期間にわたって、予想外の出費や経済的変動に対応できるだけの資金が確保されているかどうか、不確実性があります。資産の運用と引き出し戦略を計画的に行う必要があります。

医療と健康保険の問題

多くの国で医療費は高額であり、それに見合った健康保険が必要です。特に早期退職者は、雇用主提供の健康保険からの離脱後、自己負担が大きくなることがあります。

経済的自己管理の必要性

リタイア後は定期的な収入がないため、資産の管理、投資の監視、支出の計画などを自己管理する必要があります。これには時間と精神的なエネルギーを要することがあります。

将来のキャリア・収入機会の喪失

若いうちにリタイアすると、将来的なキャリアや収入機会を失う可能性があります。また、将来の市場の変化やニーズに対応できなくなるリスクもあります。

生活の質の低下

一部のFIRE支持者は、支出を最小限に抑えることを重視しますが、これが生活の質の低下や制限感をもたらすことがあります。特に、余暇や趣味にお金を使うことが制限される場合があります。

以上のようにFIREにはデメリットがあります。

デメリットを知っているか知らないかで、FIREに対する認識が変わってくると思いますし、現実的に自分がどこを目指せば良いのかが分かると思います。

どのFIREにしても目指す過程で、お金の知識が身につくと思いますので、資産は増えていくと思います。なので、FIREは経済的自立という意味と、世の中のお金の知識を身につける道筋なのではないかと思っています。

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